レジェンダ・シンガポール社長・鈴木仁志さん神奈川県横浜市出身。カナダ・マニトバ大学(マーケティング専攻)卒業。2008年に人事ソリューションを手掛ける日本のレジェンダ・コーポレーションに入社。11年7月から現職。趣味はスポーツ全般。「学生時代からスポーツはいろいろやっていた。現在はゴルフがメイン。最近テニスも始めた」と話す。 国際的に通用する人事サービスを提供2011/10/13
「企業、人材のグローバル化において、『グローバル化』とは『米国化』と同義語として使われることがあるが、日本、あるいはアジアの企業風土、人事文化にはそのまま当てはまらない部分もある。むしろアジアの特徴を取り込んでアジアナイズしたグローカライゼーションを目指していくべきだと考えている」。今年7月に進出したレジェンダの鈴木仁志代表は「シンガポールは活気にあふれており、華人、欧米人、インド人など多種多様の人種が交わり、たえず新しい刺激を受ける。地理的、文化的に東西の交わる場所で、まさにアジアナイゼーション&グローカライゼーションを体現するのに理想的だ」と話す。 ■人事は企業の要 カナダの大学でマーケティングの学位を取得後、帰国して東証1部上場メーカーを経て大手結婚式関連企業に就職。翌年には現地法人立ち上げ現地責任者としてグアム島に赴任した。当時27歳だった鈴木さんは「当時は起業家になりたいという思いがあったので、そのための修行みたいなものだと思っていた」と話す。経理、法務、現地の関係各所との折衝などを担当したが、会計や法務などの実務に関しては、現地の専門家に任せていたため、思ったより苦労はなかったという。むしろてこずったのが「人事」だった。当時率いたのは日本人、日系、現地人からなる約20人の混合グループ。まず、どのような人事制度を組み立てるか。その後人選に入り、給与体系を作り上げる。現地の人間関係、企業の風土など日本との文化的ギャップに苦戦しつつ、「海外で組織を立ち上げる時に、要となるのが人事戦略、人事ソリューション」と認識。この経験から世界を舞台とした企業の人事戦略というものについて意識しはじめた。グアムでのプロジェクトが原体験となった。 ■人・ナレッジ・システム グアムから戻った08年、高まる企業人事への思いを胸に、人事ソリューションのレジェンダ・コーポレーションに転職した。人材の採用のほか、人事・給与・労務・教育のアウトソーシング、コンサルティング、システムなど、人事関連ソリューションを総合的に提案する。そのために、必要なテクノロジーを積極的に導入している。「グローバルな仕事をする上で、どうすれば世界に通用する人事サービスやプロダクトを開発して提供できるかということへの関心が高まっていた」。国際事業部の責任者として米国やアジア各国を回った後、今年7月にシンガポールでの現地法人立ち上げの責任者となった。シンガポールのみならず、周辺国全体を見渡す拠点として、日系、地場および非日系外国企業に人事ソリューションを提案するほか、アジア地域で人材採用を希望する日本企業をインハウスの視点からサポートする。現在のクライアントは日系と非日系がおよそ半々。まだ鈴木さん1人で対応しているが、シンガポール事業が本格化するに従い、スタッフ数を拡大中だという。 最近ではソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の米フェイスブックを利用した人材採用アプリケーションの提供を開始した。「人事戦略に必要なものは『最良の人・ナレッジ・システム』。企業は海外で勝つために進出している。そのためには競争力をつけるためにテクノロジーを利用して、トレンドをつかんでいくことが重要になる」と話す。 ■方向性を学ぶ 「日本国内を見ると、リーマンショック以降、企業、求職者ともに『国内にこもる』と『国外に出る』の二極化が一段と進んだ。特にこれまで消極的だった企業も、国内市場の頭打ちから売上高の海外比率を高めることが必至となっている。他国の企業と渡り合える組織を作るためにも、人事戦略の重要性は海外に展開する企業にとって益々高まってくる」と指摘する。米国では会計、法務、人事などのインハウス業務を外部に委託するほど徹底したモジュール化が当たり前になっている。日本企業がこのような米国式をそのまま導入すべきというわけではないが、「彼らの意図する方向性を学ぶことには意味がある」と語った。日本と世界の敷居がますます低くなる中、鈴木さんの活躍の機会は増えるばかりだ。(シンガポール編集部・六角耕治) >>この目次トップへ[P R] [P R] [P R] |