NNA_kanpasar_vol.7

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KANPASAR13アジアのエリート学校を行くアジアのエリート学校を行く優秀な人材こそ国の財産―。アジアでいま、エリート教育が過熱している。成長を持続するには、強いリーダーシップを持った人間を育てる必要があると....

KANPASAR13アジアのエリート学校を行くアジアのエリート学校を行く優秀な人材こそ国の財産―。アジアでいま、エリート教育が過熱している。成長を持続するには、強いリーダーシップを持った人間を育てる必要があると考えているからだ。そこではいったいどんな教育が施されているのだろうか。4つの国でそっと教室の中を覗いてみた。建国の父を輩出シンガポール最古の学校シンガポールの教育は徹底した能力主義、エリート養成システムで知られる。その代名詞とも言えるのが中高一貫校のラッフルズ学院(RI)だ。国の礎を築いた英国人のラッフルズ卿が1823年に設立した学校に起源を持ち、同国の教育機関で最も古い歴史を持つ。卒業生には“建国の父”リー・クアンユー初代首相をはじめ著名人がきら星のごとく並ぶ。シンガポールでは小学校卒業時にPSLEという進学先の振り分け試験を行う。そこでの成績が上位3~5%の子どもしか入学できないRIは、まさに最精鋭だけを集めた学校だ。目指すのは、あらゆる分野でのリーダーの育成。モットーには「考える人、指導者、開拓者の育成」を掲げる。2004年からは、こうした理念をより進化させた独自の総合教育システム「ラッフルズ・プログラム(RP)」がスタート。生徒が将来どんな人生を選択しても指導的立場を担えるような人材を育成するとうたっている。生徒数は全部で4,500人。国内有数のマンモス校でもある。男子は13歳から18歳まで、女子も系列校のラッフルズ女子中学校を経て、17~18歳の2年間学ぶことができる。学費はシンガポール人が月300Sドル(約1万9,000円)、東南アジア諸国連合(ASEAN)以外の国・地域の出身者も受け入れており、こちらは同1,500Sドル。優秀な生徒を対象にした学費補助金制度も充実している。オバマも通ったインドネシアで一番有名な小学校インドネシアにも名門校はいくつかあるが、知名度という点ではジャカルタのメンテン第一小学校が一番かもしれない。オバマ米大統領がジャカルタでの少年時代に通った学校として、海外でも一躍有名に。校内には少年時代の大統領をイメージしたという銅像が立つ。歴史はオランダ統治時代の1934年にさかのぼる。植民地政府が開校し、オランダ人居住者や外国人駐在員、地場の富裕層の子女を受け入れるインターナショナル校としての歴史を刻んだが、61年からインドネシア政府の管轄下にある公立小学校となった。12 4公立とはいえ、厳格な学区制がないインドネシアでは学校間の格差も大きい。高級住宅街のそばにある同校には富裕層の子どもが集まり、登下校の時間になると校門前は運転手付きの自家用車や送り迎えをする家政婦たちでごった返す。教育レベルも高く、インドネシア政府が定める3段階のうち、全国に約200校しかない最高の「国際基準校」だ。それだけに入学希望者は多く、毎年6月、首都圏全域から集まる入学希望者150~200人余りを定員56人に絞り込むための入試を2日間にわたり行う。入学してもみっちり勉強。午前7時から正午まで通常の授業を終えた後、午後5時近くまで特別講義が行われる。中学受験に備えるためで、卒業生の多くは英米系の有名私立や公立の名門中学校へ進むという。アキノ現大統領が卒業カトリックの名門男子校マニラ首都圏ケソン市の広大なキャンパスに位置するフィリピン屈指の名門大、3私立アテネオ・デマニラ大学。その一角に男の子だけが集まる空間がある。付属の男子校「アテネオ・デマニラ高校」だ。アキノ現大統領の母校でもある。フィリピンの学制では12~16歳の4年間がハイスクール。高校生と呼ぶにはまだあどけない男の子約2,280人が、現在ここで勉学に励んでいる。スペイン統治下の1859年にカトリック教会のイエズス会が設立した学校が起源。一般教科に加え、教会の教えに基づく宗教学もしっかりカリキュラムに含まれている。1屋外で談笑するラッフルズ学院(シンガポール)の精鋭たち。文化教育を通した美意識の養成や、スポーツによる健康増進にも力を入れている。2珠海女子中学(中国)の外観。建物は洋風だが、建学理念の一つに老子の思想「道法自然」を掲げるなど伝統重視の側面も。3人懐こいメンテン第一小学校(インドネシア)の生徒たち。この中から未来のインドネシア大統領が生まれるかもしれない?4緑に囲まれたアテネオ・デマニラ高校(フィリピン)。校内はカトリックの色濃く、厳粛な雰囲気も漂う。モットーは「思いやりと責任感を持ち、国と世界にポジティブな変化をもたらす若者の育成」。リーダーとしての素質を伸ばすため、課外活動にも積極的に取り組む。1~3年時には、カトリックの教えを学ぶ野外合宿や貧困層向けの住宅建設活動に参加。4年生になると週に1度、首都圏の公立小学校で教育実習も行う。学費(教材費、校外活動費などを含む)は年間約11万7,000~13万2,000ペソ(約22万3,000~25万2,000円)。フィリピンの平均世帯年収が20万6,000ペソ(国家統計局2009年調査)だから、その半分以上に相当する。そのため生徒の多くは富裕層の家庭で、運転手や家政婦同伴で登下校する姿も珍しくない。ただ成績優秀者には奨学金を支給するなど門戸は広く開放している。心も体も美しく中国の“お嬢様学校”ヨーロッパのお城のような白亜の校舎。寄宿舎で仲むつまじく暮らす上級生と下級生。勉学はもちろん、礼儀作法までみっちり教え込む教師たち。絵に描いたようなお嬢様学校の世界が、中国広東省の珠海市にある。2011年9月に開校した私立珠海女子中学だ。現在、中学1年生、2年生と高校1年生の計約160人の1期生が学んでいる。生徒は地元だけでなく、全国各地や香港、さらには海外からも集まった。今の中国では珍しい、性別の違いを踏まえた教育が特徴だ。起床後はバレエ、就寝前はヨガを行い、心も体も鍛錬。料理や社交マナーもしっかりと学んでもらう。ただし目指すのは良妻賢母ではなく、あくまでも自立した現代女性の育成。外国語はもちろん、経済感覚を身につける教育も行い、ボランティア活動や国際交流にも力を入れる。制服もかなり凝っている。夏服は紺色のワンピース、春秋冬はチェックのスカートにブラウスと、日本の女子校を模したかのようだ。学費(食費、寮費、教材費を含む)もかなりのもの。中学校の普通コースで年間5万3,200元(約64万円)。最も高い高校の国際コースは年間12万2,000元と、日本円で150万円近い。一般的な高等学校の学費が年間1,800元ほどだから、その68倍にも上る計算だ。学校側が想定する入学者も「マイホーム、マイカーのある年収30万元以上の家庭のお嬢さん」だとか。2014年の夏には1期生が卒業する予定だ。