香港  2008/12/10(水曜日)
柔道普及に40年、叙勲の岩見武夫氏に聞く[社会]

日本政府が発表した平成20年度秋の叙勲に、香港柔道館館長で東洋警備(香港)会長の岩見武夫氏(71)が選ばれ、旭日双光章を受章した。長きにわたり香港で柔道を通じた日本文化の普及に貢献したことが評価された。岩見氏は「自分を支えて下さった皆さんのおかげ」と繰り返し、感謝の意を述べた。8日に在香港日本総領事公邸で行われた祝賀会には、門下生も駆けつけた。【香港華南編集部・山川亜沙美】



岩見氏は1964年から香港に在住。66年に香港初の柔道場を開設した。現在はコーズウェーベイの一角で香港柔道館を運営、同時に東洋警備(香港)の会長としても活躍。94年から邦人安全対策連絡協議会の座長を務めている。

一方では92年に日本人墓地の整備に着手。それまで手入れをされていなかった墓地の清掃、埋葬者の身元を確認し、詳細なリストを作成した。香港日本文化協会(ジャパン・ソサエティー)で奨学金制度の創設に携わったことも叙勲理由となった。

――叙勲に際し、感じたことは。

身に余る光栄です。香港での日本文化の普及に貢献できたのは、自分だけの成果というより、約半世紀にわたり支えて下さった皆さんのおかげ。その皆さんと一緒に勲章をお受けしたいと思いました。

――伝達式の様子は。

叙勲は70歳以上が基準なので、自分はほぼ最年少でした。それから皇居で、叙勲者全員で天皇陛下に拝謁致しました。陛下とは直接言葉を交わすことはありませんでしたが、「世のため人のために尽力して下さい」というお言葉がありました。

――香港の対日感情はどう変化したと思われますか。

香港人は本当に人柄がいい。元々は穏やかで、あまり反日感情もない人たちだったと思います。最近はやや感情的になる人たちも出てきましたが、基本的には世界で最も親日的だと思いますよ。中国本土から来る人たちも多いですが、できればその人たちが香港の「親日感情」に触れ、広めてくれればと思っています。

――現在の香港柔道館の規模について教えて下さい。

門下生は約150人います。香港人、日本人のほか、フランス、英国、ドイツなど20カ国・地域の人が通っています。欧米人はみんな香港で働くビジネスマン。彼らの母国と違って、ここでは柔道場が身近な場所であり、通いやすいのが大きいみたいですね。

――自身の中で香港とは、どんな位置付けですか。

終の棲家、第2の故郷ですね。香港なくして今の自分はありません。

岩見氏は11月7日に日本で行われた叙勲伝達式に出席。中曽根弘文外相から勲章を受けた。中曽根外相の父・中曽根康弘元首相の衆議院議員時代に秘書を務めた経験がある岩見氏は、若き日の外相にも対面したことがあったという。

岩見氏は道場で門下生にも叙勲と伝達式の様子を紹介。「皆さんともらった勲章です」とスピーチし、道場には大きな拍手と祝福の言葉が響いた。<香港>

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