シンガポール 2009年3月12日(木曜日)
電子政府ランク1位、早稲田大調査で[IT]
電子行政サービスの進ちょく度をまとめた「電子政府」の世界ランキングで、シンガポールが1位となったことが、早稲田大学の電子政府・自治体研究所が発表した調査結果で明らかになった。ネットワーク・インフラやポータルサイトの充実度などが評価され、2005年のランキング公表以来初めてトップとなった。

調査の名称は、「世界電子政府進ちょく度評価ランキング2009」。アジア太平洋経済協力(APEC)電子政府研究センター(e-APEC)の研究活動の一環として、04年に世界各国の電子政府の進ちょく度について評価研究を始め、05年からランキングを公表してきた。
スコアを算出する指標として、「ネットワーク・インフラの充実度」「アプリケーション・インターフェース・オンライン・サービス」「マネジメント最適化」「ポータルサイトの状況」「行政の最高情報責任者(CIO)」「電子政府の戦略・振興」の6項目と、そのサブカテゴリーとなる28項目を用いている。
シンガポールのスコアは合計92.89ポイント。調査対象となった世界34カ国・地域の中で唯一90ポイント台を獲得し、前回まで4年連続で1位の米国(今回2位、89.31ポイント)を上回った。05年、06年は3位、07年、08年は2位で着実に評価を伸ばしてきた。
項目別では、「ネットワーク・インフラの充実度」「マネジメント最適化」「ポータルサイトの状況」が1位で、「アプリケーション・インターフェース・オンライン・サービス」が2位となったほか、「行政のCIO」が3位、「電子政府の戦略・振興」が7位となり、全ての項目でトップ10入りした。
同研究所の所長で、早稲田大学大学院国際情報通信研究科の小尾敏夫教授は11日、NNAの取材に対して「シンガポールは電子政府のアプリケーションが充実している。また都市国家なので、政府の意向が反映されやすく、計画したことをきちんと実践していることで電子政府の進ちょく度を高めている」と説明した。
地元紙ビジネス・タイムズの報道では、シンガポールには政府のオンラインサイトが1,600以上あり、光ファイバー通信網の整備などでさらなる電子政府化を推進している。携帯電話から公共サービスを利用することを想定した「モバイル政府」化にも積極的に取り組んでおり、中央積立基金(CPF)の口座内容が確認できるサイトなど、過去2年間で200以上のモバイルサイトを導入した。
このほかランキングでは、スウェーデン(86.94)と英国(85.45)がそれぞれ3位、4位となり、日本(82.30)は昨年と同じ5位だった。アジアでは韓国が5位、台湾が8位で10位内にランクインした。
同研究所は過去5年間の傾向として、▽相対的に電子政府化が進んできている▽環境、防災、高齢化対策などに利用するケースが増えている▽業務実態を反映しない視覚重視の傾向が強い▽発展途上国におけるデジタル・デバイド(情報格差)が拡大している▽国家戦略の強化のためにCIOの役割が高まっている――などを挙げている。