韓国  2009/08/17(月曜日)
累積対日赤字17兆円、止まらぬ依存体質[経済]

韓国の対日経常赤字が年々拡大の一途をたどっている。1999年から昨年までの間に、経常収支赤字の累積額は1,749億4,120万米ドル(約16兆6,400億円)までに増大。背景には、輸出型製造業に強い韓国で部品・素材の多くを日本からの輸入に頼らざるを得ない依存体質があることや、日本で韓国製品の人気がなかなか高まらないことがある。韓国は今後、優れた技術を持つ日本企業の買収・合併(M&A)や政府支援で赤字幅の縮小を図りたい考えだ。



聯合ニュースによると、対日経常赤字は03年の170億6,920万米ドルから04年には221億3,790万米ドルに増加。以降、◇05年は221億6,170万米ドル◇06年は251億1,920万米ドル◇07年は288億1,180万米ドル◇昨年は253億880万米ドル――と毎年、赤字幅は拡大傾向にある。

99年から昨年までの経常赤字の内訳をみると、貿易収支は1,777億6,080万米ドルの赤字、サービス収支は5億2,500万米ドルの黒字などだった。経常収支の中でも貿易の不均衡による赤字が深刻であることが分かる。

対日赤字が拡大を続ける背景には、部品・素材分野で対日依存度が高く、第三国への完成品輸出が増えれば増えるほど赤字幅が拡大するという構造的な問題がある。

韓国の主力産業は日本から輸入した材料を加工して第三国に再び輸出するというケースだ。

02〜08年に日本から輸入した部品・素材のうち、約7割は海外輸出向けに用いられたとの統計もある。部品・素材に限った貿易収支の赤字額も、昨年は209億4,000万米ドルに上り、貿易収支全体の64%を占めた。近年では原材料価格の上昇や円高・ウォン安、部品・素材の輸入単価の上昇などが重なり、赤字幅が拡大しているとの指摘だ。

■魅力ある日本製

また、日本における韓国製品に対する需要の所得弾力性が小さいことも対日赤字増大の要因となっている。

需要の所得弾力性とは、所得が1%増加するとき需要量が何%変化するかを示す尺度。韓国産業研究院(KIET)によると、日本の所得が1%増えたとき、韓国製品の需要増加割合は0.84〜0.92%だったが、日本からの輸入に対する韓国の所得弾力性は1.91〜2.71。基準値の1を大きく上回っており、韓国人にとって日本製はぜいたく品など魅力ある製品が多いとの可能性を示している。

赤字幅縮小の対応策として、韓国経済研究院のペ・サングン研究委員は、日本の部品・素材企業を対象に積極的なM&Aを行うことを勧めている。韓国の中小企業の育成に力を入れるよりも資金力ある大企業による部品・素材分野への進出が近道とした。

■観光客呼び込め

対外経済政策研究院日本チームのチョン・ソンチュンチーム長は、韓国政府による支援の重要性を説く。チョンチーム長は「日本は今後5年間で300億米ドルを環境分野に投じる」とし、日本政府の新たな産業分野への積極的投資を評価。韓国ではこうした投資は小さいとした上で、政府による将来を見据えた積極的な投資が、輸出産業育成につながると指摘している。

また、貿易黒字にのみこだわるのではなく、日本人観光客の誘致や特許および著作権のロイヤルティー収入の確保を急ぐなど、サービス収支の改善を図るのが早道だとの見方も浮上している。

韓国の膨大な対日赤字は減少できるのか。韓国政府の今後の取り組みが問われている。

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