台湾  2009年9月22日(火曜日)
台湾高鉄、巨額負債で政府管理へ[運輸]

巨額の利子返済にあえぐ台湾高速鉄路(台湾高鉄)が近く、台湾政府の管理下に置かれる。きょう22日の臨時董事会で殷キ董事長(キは王へんに其)の辞任と欧晋徳執行長の董事長昇格が承認される見通し。政府の管理下に置かれれば台湾最大のBOT(建設・運営・譲渡)計画の失敗を意味する。



台湾高鉄の資本金は1,053億2,200万台湾元で、今年6月末時点の赤字は702億元。開業以来の乗客収入は480億元。しかし、銀行などからの融資額が3,835億2,000万元に達しており、巨額の利息負担や減価償却費がのしかかっていた。

新董事長には執行長の欧氏の就任がほぼ決まった。欧氏は54歳で、台北市副市長を務めたことがあり、馬英九総統と近い。2006年に執行長となった。

呉敦義・行政院長は20日、殷董事長がすでに辞任の意志を固めたことを明らかにした。呉院長は董事長が誰になっても台湾高鉄が通常通り営業することを望むとした上で、「政府は責任を負い、台湾高鉄を監督する義務がある」と述べた。

毛治国・交通部長によれば、台湾高鉄が経営破綻(はたん)して運行が止まった場合、政府は4,000億〜5,000億元を負担しなければならない。そのため毛部長は21日、「株主である民間企業が解決策を探るべき」と主張する国民党の立法委員を訪ねて理解を求めた。

■「政府は買収・増資しない」、交通部長

毛部長は同日、台湾高鉄の問題処理に際して、▼正常な運営を維持し、官民の株主の間で目標達成に向けた協力で合意する▼民間企業のまま経営を続け、政府は買収・増資・特別株の処分はしない▼政府主導で経営するが、問題解決後に利益を上げられるようになった時点で株式を上場する――の3原則を表明した。

管理下に置いた後の問題処理に当たっては、財政・金融に明るい朱立倫・行政院副院長が対策チームを率いることになりそうだ。

今後は、▼臨時株主総会を開催して政府系企業から派遣している役員の数を増やす▼新たな融資を獲得▼経営状況を改善――との流れが想定されている。

国民党の蔡正元・立法委員は、次のように提案した。「株主構成を改めて殷董事長の出身母体である大陸工程など設立当初からの株主5社からの役員を減らす」。その上で、「出資している政府系企業や特別株の保有者にも緊急時に投票権を与え、経営の主導権を握る必要がある」。

■破産・会社更生は「悲惨」

政府関係者は今回の政府の対応について、「台湾高鉄が破産、会社更生法申請の道を歩むのを見たくない。それでは悲惨だ」と苦衷を明かした。政府が経営の主導権を把握することで台湾高鉄の経営状況を改善し、同社と住民、政府の3者による“トリプルウイン”を目指す。21日付台湾各紙、聯合晩報が伝えた。

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