インドネシア 2010年1月29日(金曜日)
日清紡、紡績・織布・染色能力を増強[繊維]
日清紡ホールディングスは28日、繊維事業の再構築計画を発表しインドネシアに新工場を建設するなど生産能力を増強すると明らかにした。紡績・織布拠点、染色加工拠点ともに大幅に増強する見通しだ。
新工場を建設するのは、紡績・織布のニカワ・テキスタイルインダストリー。現在の設備は紡機が約10万錘で、織機が約200台。新工場の規模や投資額については明らかにしていない。ただ再構築で日本の設備を紡機で現在の8万1,040錘から85.2%減らし1万2,000錘に、織機で265台から92.5%減らし20台とすることから、減少分をインドネシア、インド、中国に移管することが明らかになっている。
本社のIR広報グループによると、新工場の着工は新年度となる4月以降で、年度内の来年3月までに完工する予定。
ニカワ以外にも、染色加工のギステックス日清紡インドネシアで、液体アンモニア加工設備の新設、樹脂加工ラインを増設中。今夏にも完成予定で、同社の加工能力は現在の月150万メートルから、33.3%増の200万メートルに拡大する。
このほかに、日本で手掛けるデニム加工をインドネシアに移管するために新たな拠点を設立するための提携交渉を進めている。合弁会社を設立する可能性が高いとみられる。
グループのうち、国内でシャツを製造するナイガイシャツの生産能力は据え置くという。同社の月産能力は6万枚となっている。現在の3社の従業員数は、ニカワが850人、ギステックスが400人、ナイガイが180人。
インドネシア以外では、インドでバルドマングループと設立した合弁会社で9月からシャツ縫製を開始。技術指導で液体アンモニア加工設備の導入や素材からの一貫生産体制による形態安定シャツ「SPP」などを製造し、インド国内のほか、日欧米に輸出する。
中国では、新たに染色加工の合弁会社を設立し、中国内での販売を強化する一方、これまでの提携関係を見直すという。
■年内に黒字化
声明によると、インドネシアの能力増強は、繊維事業本部である日清紡テキスタイルの日本国内の生産設備の大幅縮小とアジアを中心とした海外生産への移管を行う抜本的な事業改革方針を決定したため。
同社は、収益体質強化の一環として、海外生産へのシフトを進めていたが、昨年のリーマン・ショックを受けた金融危機で事業環境が大幅に悪化し、需要減少の深刻化と低価格化に歯止めがかからない状況が続いていると説明。赤字構造からの脱却と安定収益を実現するための方針で、アジアの各拠点を結ぶ生産・販売のネットワークを構築する計画を示した。
日本の事業は、技術開発拠点と位置づける。日本の紡績加工拠点の静岡県島田、藤枝事業所、愛知県岡崎市の美合事業所のうち、島田の紡績工場部分を今年秋をめどに閉鎖する。残る2事業所は技術開発拠点としての設備を残す。このため、日本の設備は、紡機や織機の減少のほか、連続漂白加工能力を月産70万メートルから64.3%減の25万メートルに縮小する。子会社でシャツ製造のCHOYA、デニム生地製造の日清デニムも再構築を実施するという。繊維事業は今年10月度の黒字化を目指している。
同社が昨年11月に発表した2009年4月〜9月期決算によると、ニカワの売上高は前年同期比24.7%減の18億5,300万円、ギステックスが6.3%減の11億2,800万円、ナイガイが12.8%減の1億5,700万円だった。10年3月期の売上高予想は、ニカワが35億5,300万円、ギステックスが22億4,800万円、ナイガイが3億円となる。