シンガポール 2010年3月1日(月曜日)
北海道に次ぐ目的地アピール、旅行フェア[観光]
日本政府観光局(JNTO)と日本の都道府県や企業などが2月26〜28日の3日間、東部の大型展示会場シンガポール・エキスポで開催された国内最大規模の旅行フェア「NATASトラベル2010」に過去最大規模の日本パビリオンを出展した。シンガポール人に定着した北海道に続く旅行先としての認知度を高めるため積極的な宣伝活動を繰り広げた。

JNTOの広報担当者は、NNAの取材に対し「北海道は依然としてシンガポール人の人気を集めているが、国内の新たな目的地を求める動きが強まっている。最近では地場の旅行代理店からも各地域に対する問い合わせが増えてきた」と話した。特に関心が高まっているのが、雪の壁で有名な立山黒部アルペンルートと、自然、食文化ともに豊かな仙台だという。
地方自治体は前回より6カ所多い計31都道府県が参加し、飛騨高山を擁する岐阜も注目を集めた。前回に引き続き参加するユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を含めた企業3社も加わり、各団体は多数の来場者に見どころをアピールした。
東京ディズニーリゾートを展開するオリエンタル・ランドと、軽井沢発祥の高級旅館「星のや」を運営する星野リゾートが初めて出展。両者とも、参加理由について「シンガポール人は海外旅行を非常に身近なものととらえており、1人当たりの国内総生産(GDP)も高いことから今後増客を見込めるため」と話した。
オリエンタル・ランドは昨年初めて、海外向けプロモーション専用に和の雰囲気を取り入れたポスターなどを作成。これまでにマレーシアや韓国でも旅行フェアに出展したほか、社内でもスタッフへの語学研修を独自に行うなど、海外からの旅行客の取り込み体制を強化している。
「星のや」は、富裕層をターゲットに据える。広報担当者は「世界の高級リゾートを体験した旅行者が比較的多いシンガポールでは、当社のコンセプトが受け入れられやすいとみている」と話す。まずは旅館文化の認知度を高め、その後2年ほどかけて集客に結びつける考えだ。
JNTOは今回、新イベントとして3日間を通して鏡開きを実施し、来場客に日本酒を振る舞った。日本の文化に対する関心を高めるのが狙いだ。JNTOの担当者によると、シンガポール人旅行者の間で日本の自然や食文化への認識は高まっている一方、文化に対する知識はあまり高くないという。
また、閉会後の3月1日には、サンテック国際会議・展示センターで訪日旅行に関するセミナーと商談会を初めて実施する。シンガポールのほか周辺諸国の旅行会社や航空各社160者が、NATASに参加した団体を含む日本の自治体やホテル、各種の施設関係者と商談を行う予定。このうち120者が国内からで、残りはマレーシア、インドネシア、ブルネイから参加する。同広報担当者は「JNTOで当初予想していた100者を大きく上回った」と話す。
■「カジノの影響ない」
2009年通年のシンガポール人の訪日者数は14万5,000人で、前年の16万7,000人から13%落ち込んだ。ただ昨年後半からの景気回復に伴う旅行需要の回復を受けて「今年は少なくとも08年の水準には戻る」(同氏)見通しだ。また、今年シンガポールで開業するカジノ総合リゾート(IR)2カ所が与える影響については「不安材料としてはみていない。シンガポールが日本からの集客増を見込んでフライトを増発すれば、それだけ日本行きの便も増える。むしろ追い風と考える」とした。
■旅行フェア、年4回に
シンガポール旅行代理店協会(NATAS)は今年から、新たに「NATASジャーニー」と題した旅行フェアを5月と10〜11月に開催する。ストレーツ・タイムズによると、これまで2月と8月に催してきた「NATASトラベル」に加え、年4回にわたり大規模な旅行フェアを実施することになる。