タイ  2016/03/04(金曜日)
ヤンマーが3割増収へ、英マンUと戦略モデル[製造]

ヤンマーは3日、タイ法人の今年の売上高を前年比3割増の70億バーツ(約220億円)に引き上げる目標を明らかにした。同日には英サッカー・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドFCの装飾を施した限定トラクターを世界で初投入。目玉となるモデル投入を契機に販促を強め、中長期的にタイ国内のシェアを現行の1割強から3割に引き上げる。



タイの昨年の売上高は約5%増の52億バーツ。このうちタイ国内の販売が7割、東南アジア各国への輸出が3割を占めた。タイ国内では、前インラック政権が実施した実質的なコメ買い取り制度「コメ担保融資制度」の終了の反動で一時落ち込み、昨年の成長も鈍かった。

「タイはアジアの中でトラクター市場が大きく、今年の市場規模は約5万台となる見通し。ただ、約3年前の6万台からは縮小している」(ヤンマー関係者)。農産物価格の下落や干ばつ被害の長期化で農業セクターの購買力が低下していることが背景にある。

トラクターではタイに年産能力1万2,000〜1万5,000台規模の工場を持ち、今年は輸出と合わせて約1万台を出荷する目標を掲げている。タイ国内向けには約7,000台を販売する計画だ。

■「とがったモデルで存在感」

タイでは農業セクターが振るわないが、農機販売を引き上げるプラス要素もある。タイ市場に投入したトラクター「EFシリーズ」の限定モデル「EF514MU」は、シェア獲得に向けた戦略的なモデルとなる。

タイ法人ヤンマーSPの山下宏治社長は「マンチェスター・ユナイテッドFCと2年間交渉し、両者にとって初の装飾トラクターが実現した」と語った。同チームとグローバル・パートナーシップ契約を結んだのは12年。「東南アジア諸国連合(ASEAN)の要衝であり、サッカーを通じたマーケティング活動が根付いているためタイ投入を決めた」。

限定モデルは51馬力。「タイでは軽量な39馬力モデルとパワーのある49馬力モデルを販売してきたが、稲作から畑作に切り替える農家が増えている」(ヤンマー関係者)ため、パワーがあり双方に適したスペックにした。年内には、60馬力に近い新モデルも投入する方針だ。

販売価格は64万9,000バーツ。装飾をしていないタイプより約2万バーツほど高いが、保証期間を通常の1年から3年に延長するなどオプションを充実させた。年内をめどに3,000台を販売する予定で、総額20億バーツの売り上げを目指す。

「商品力はあるが、これまでマーケティング力で出遅れていた」(山下氏)。「とがったモデル」の投入で周知し、トラクターの購入を検討しているユーザーの選択肢としてヤンマーをアピールする考え。今年は販促費に2億バーツを計上している。

[PR]

[PR]

NNA News Headline

コラム

アジア・豪州から毎日お届けする人気コラムです。経済ニュースを読む前にどうぞ